磯部師範による特別稽古レポート
2008年6月26日(木曜日)
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エヴェルトン・テイシェイラのK−1参加に伴い磯部師範が一時帰国され、6月26日(木)27日(金)には福井支部で稽古をつけていただいた。
6月26日(木)
本部道場にて、午後6時より少年部稽古を開始。
磯部師範は常々、基本稽古の重要性を説かれており、少年部に対してもその姿勢は全く変わらない。まずは、基本の前の準備運動について、なぜ準備運動は足の指から始まるのか、なぜ構える時は右足を動かすのか、今やっている動作はどこを伸ばしているのか、左右に身体をひねる時後ろ側の手をきちんと伸ばさないと全身が伸びない、首の運動は目の置き所が重要であるなど、丁寧に説明をしながら、動作を示していただいた。「人間の全身の筋肉は700以上、全身の関節は200以上の数があるので、本当にきちんと準備運動を行おうとすると2時間以上かかってしまう。そうすると稽古時間が終わってしまうから全部はやらない。でも、その分本当に限られた事をやってるから、きちんと正しく身体を動かすように。・・・準備運動で汗が出ないと駄目だよ、汗かいているか?なんだ、出てないじゃないか。きちんと動けば汗をかくんだよ。」との言葉は少年部にもわかりやすく響いたようだ。
基本稽古に移り、まずは、拳の握り方から突き技へ。「少年部だから少なめにするよ。」という事で、全体に20本。正拳中段など特に基本的なものは50本ずつ行った。続いて左三戦に切り替えて受け。特に内受けの出し方については、「なぜ引き手の外側から出すのか。意味があるんだよ。」と相手から突きで攻撃された際に肘関節を極める動作を例に説明いただいた。「手刀は手の形、手首の角度が大事だよ。拳を握る攻撃より開いて使う動作の方が多いんだ。掌底、背刀、平拳・・・。」など手刀の際は他の箇所についての説明を交えてわかり易く指導されていた。
蹴りに入って、「最近は普通の人でも空手を知っているから誰でも回し蹴りくらい出来るよ。でも、君達は普通の人と同じじゃあ駄目。普通の人が顔の高さまで脚が上がるなら、君達はそれよりもずっと高く蹴らなくちゃ。そして、力強く、素早く。これが大事だよ。」蹴りも手技と同じく20〜50本。いつもは途中で集中力が切れてしまうような少年部でも、磯部師範の情熱的な指導で、最後まで気合十分。あっという間に1時間20分が過ぎてしまった。
最後は手技の移動稽古を5種類ほど行い、少年部の稽古は終了。締めの際にも基本の大切さを説明いただき、参加ひとりひとりと握手をしながら、これからも頑張るようにと声を掛けてくださった。
8:00からは一般部の稽古が始まった。
準備運動のあと、基本稽古に移り、少年部と同様にひとつひとつ丁寧に説明をしながら進んでいった。本数は全体に30本ずつで、基本的なものは100本。一般部には少年部以上に正確さを強調し、手技の際は「正中線がブレないように。」「引き手をきちんと引く。」とその都度的確に指示をされた。足技については「高く、強く、速く。蹴上げなんかは自分の背後を蹴るつもりで蹴るんだ。」と今回はあまり詳しい説明は省いて速いテンポで進んでいった。
小休止の後、移動稽古。基本的なものから始まり、三本突き、双手突き、内受け下段払いから双手突きと進む。双手や内受け下段払いなどの移動はやり慣れていない人のために特に丁寧に、且つ理論的に説明をいただく。足技では、掛け蹴りや、裏回し蹴りを使った移動を教えていただいた。最初は動きが出来てない人も分かり易い説明のおかげで幾度かのうちに理解できたようだ。参加者の中には磯部師範と同じ60歳の方もおり、師範からは「60でもまだまだ出来ます。大丈夫ですよ。」と励ましをいただき、40代の方には「まだまだ若いよ。これからだよ。俺を見てみろ。還暦でも毎日最低、今日と同じ本数の基本はやっているよ。たとえロシアやヨーロッパなどに遠征に行った時でも欠かさないよ。」と発破を掛けられた。実際師範が目の前で稽古している姿を示されているので、誰一人疑問に思うことなく頷いていた。しかも磯部師範は5月に背骨を痛め、まだ歩く事に支障があるとのことであったが、生徒以上の運動量にみんなは更に驚いていた。その他にもいろいろな体験談をいただきながら2時間余りにおよぶ稽古は終了した。
(極真会館福井支部)
磯部師範による特別稽古
2008年6月26日(木曜日)
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国際空手道連盟極真会館 福井支部
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