国際空手道連盟極真会館 福井支部 宮脇道場
2009福井大学極真空手同好会夏季合宿
1日目レポート
 8月29日、毎年恒例の福井大学空手同好会夏合宿が一泊二日にわたり行われた。
 今年は残念ながら同好会OBの参加は石川から帰省していた山森さん1名と少なかったが、予定していたメンバーは全員集合した。
 合宿初日、最初の稽古メニューは陸上競技場で行われた。この日の天候は晴れてはいたものの程よく雲もあり風も吹いていたためなかなかのコンディションであった。まずは各々しっかりと体をほぐした後、みんなでそろって準備体操を行った。ランニング3周を終えていよいよ本稽古の開始だ。最初のメニューは"ラダー"によるトレーニングだった。このトレーニングは下半身の強化、俊敏性および脳からの情報伝達の向上を目的としたものである。普段行わない練習メニューではあったが、それが逆に新鮮に感じられ初めは皆笑顔がこぼれた。しかし、徐々にたまっていく乳酸に皆の表情は次第に強張っていった。小刻みなステップからクロスさせる動き、ひねりを加えた動きなどバラエティに富んだメニューを行った結果、ふくらはぎの下腿三頭筋を中心に大腿筋から腹直筋にいたるまで筋肉繊維を破壊した。午後2時をまわったあたりでラダーによる練習を終え、水分補給を行った。
 第二のメニューは100m走20本であった。インターバル形式で行われたこのメニューは、それぞれ80%〜100%程の力で走り、スタートしてから次のスタートまで1分、20分で20本走り切るというものであった。特につらいのが風の影響である。追い風のときは何も感じないのだが、向かい風ともなればその負荷は5割増しにさえ感じる。走る。ただひたすら走る。そのあまりに単純すぎるトレーニングの下半身に与える効果は絶大で、本数を増すごとに皆の大腿四頭筋を中心とした脚部の筋肉群はその悲鳴を大きくしていった。このメニューを終えた後少し長めに休憩を入れたのだが、その間の皆の様子は、寝転がる者もいればほぼ放心状態に近い者もおり、練習の過酷さがうかがえる時間であった。
 第三のメニューは持久力を高める目的で行われた。その内容は100m(ダッシュ)→200m(ジョグ)→200m(ダッシュ)→200m(ジョグ)→300m(ダッシュ)→200m(ジョグ)→400m(ダッシュ)→200m(ジョグ)→300m(ダッシュ)→200m(ジョグ)→200m(ダッシュ)→200m(ジョグ)→100m(ダッシュ)というものであった。合宿初日のメインディッシュともいえるこのメニューは、中盤の400mでつらさのピークを迎えた。こうして合宿初日の下半身の鍛練を終えた後の皆の足取りは(肉体的疲労のため)重かった。
 陸上競技場を後にした一行が向かった先は、昨年もお世話になった『HealingResort港のホテル』である。チェックインを済ませた後、ディナーまでの間自由行動になり、大浴場で汗を洗い流す者もいればトランプで楽しむ者もいたりとそれぞれの時間を過ごした。
 午後7時、待ちに待ったディナーバイキングの時間である。皆それぞれ好みの食材を皿に盛り、至福の時をむかえていた。だがしかし、一通り食事をほおばり終えた我々に試練が与えられた。合宿恒例、先輩によるありがたいおかわりの勧めである。食は生の活力とは言うが、山のように積まれた食材に思うように箸が進まない。しかし、先輩のありがたい勧めを拒むわけもなく、また極真たるもの大切な食事を残すなどという選択肢など無い。我々はこの合宿一の根性を見せた。
 楽しいディナーを終えた我々はしばし食休みを取った後、今年初めて行うメンタルトレーニングを行った。まず初めに行ったのは集中力をはかるものであった。0〜99までの数字が100個のマスにランダムに並べられた紙に、制限時間内に0から順に丸をつけていくというものであった。これを、静かに集中した場合、雑音が入る場合、プレッシャーがかかった場合の3パターンで行い、自分の集中力を自覚し今後に生かすというものであった。結果はそれぞれ異なり、各々驚きと感心の表情を見せていた。次に用意されたトレーニングはイメージを強くするというものだった。出されたお題を頭で強くイメージし、あたかも実際にそこに存在するかのように脳に錯覚させるというもので、例えば『極寒の地にいることを想像する。』と言われて、鳥肌が出てくるまでイメージするといった具合に行うのである。なかなか口で言うほど容易ではなく、皆苦戦しているようであった。ほぼ初めてやるメンタルトレーニングに新鮮さと難しさを感じながらも、有意義な稽古であった。この後、極真空手の全日本選手権のDVDを見て明日行う組み手でのイメージをふくらました。こうして合宿初日の稽古を終えた。
                                              山本 明郎
2009福井大学極真空手同好会夏季合宿
2日目レポート
 早朝5時、セットしておいたアラームが鳴り、一斉に布団から這い出てくる。しかし昨日の練習での疲れが残っており、足取りが重たいようで、なんとか外に出るが、その顔に初秋のすがすがしさは微塵もない。それでも合宿最終日は始まった。
 まずは宿泊所横の芝生広場でランニングと準備体操をした後、上半身のトレーニングに移る。この上半身のトレーニングが想像以上に辛かった。 足を持ってもらって手だけで歩行するというもので、平地を進むのならばそれほど問題ではないのだが、そうは問屋が卸さない。宿泊した『港のホテル』の横の芝生広場には山があり、その山を村中指導員が利用しないわけがなく・・・。案の定登ることになった。やってみた感想は『きつかった』であるが、普段はあまり使わない筋肉に負荷をかけることができ、また自らの体幹がどのくらい鍛えられているのかを知るいい機会となった。
その後の拳立てと懸垂を気合いで乗り切り、朝食をとって三国体育館に向かった。ここで斉戸指導員も合宿に来てくださり、最後の練習となった。まずいつも通りに基本稽古をし、そしてすぐに組手に入る。今回の2分×30セットの組手では昨夜のDVDも踏まえて自分の『理想の組手』を意識した。そのためにいつも練習しているメンバーではあるが皆雰囲気が違っていて、新鮮な組手であった。私自身、横への動きをいつも以上に意識したために足の裏の皮が破けて痛い思いをした。また明郎と耕平は斉戸指導員にいろいろ伝授してもらった模様ですごく為になったようだ。
最後に正拳突きで締め、2009年の夏合宿稽古は終わりを告げた。稽古中は辛そうな顔をしていたが、そのきつい稽古を乗り越えた自信が練習後の顔にはあったように思う。それから場所を移動して合宿最後のイベントBBQとなった。室内で食べるのとは違い、自然の中での食事はパワーをまわりから貰っているような気がしてとても癒された。
今回の合宿では大学の道場では鍛えられていない部分を重点的に鍛えることができ、自分の組手を見直すことができた。またそれ以上に寝食を共にするということによって仲間との絆がより深まる合宿でもあった。最後になるが合宿全般を取り仕切って頂いた村中指導員、忙しいなか稽古に駆け付けて頂いた斉戸指導員にはとても感謝しています。
                                          主将 廣田 真人
 



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