国際空手道連盟極真会館 福井支部
極真会館南米地区連盟総責任者(磯部清次師範)との食事会にて
平成18年12月4日(月)
PM21:30〜23:30
 将来世界大会で優勝できるような強い選手を育てる為には、少年部のころから目をかけ鍛えないとダメで、その為には子供も大人と一緒に練習させたほうが良い。体力的な事は大人と一緒のメニューをさせられないし、させてはいけないが、気持ちの面で、大人のエネルギーをもらう事ができる。子供だけだとタラタラしていても、大人と一緒にやっていればビシッとせざるを得ない。(もちろん大人がビシッとした上での話だが。)
 強い選手を育てようとした場合、そういった大人との練習の中で残れない者はそれから先、強くしようとしても難しい。強くなる為にはそれくらいの練習が出来ないのでは困る。その中を残ってきた者、くぐってきた者こそが、ダイヤの原石となる。
 言い方を変えると、例えば道場生を100人集めてから厳しい練習をしようとしても、そんな100人はそれまでの練習がぬるま湯で来ているから急に厳しくしても残れない。それよりも最初から厳しい練習を続けた中から1人が残れば良い。世界チャンピオンだって1人だけ。強さを求めて指導するということは、その1人が残ってくれれば十分だ、と言う事だ。しかし今の都会の道場は企業体化しており、道場生を集めて道場の経営が回っていれば良いと思っている。それでは道場と言えない。
 一撃必殺の技を身につけるには、基本の稽古をしっかりとやり抜くこと。それは自分の基本の型を作る為にやる。たとえてみれば靴と一緒で他人の靴は自分には合わない。また、歩き方が違うので減り方も違う。それと同じで、基本をしっかりやる事で自分に合った基本(靴)を作って行ける。人の真似は結局、真似でしかない。メッキは所詮メッキ。人真似ではダメ。もちろん時間は掛かる。何年も何年もかけて作り上げて行くしかない。しかし、土台をしっかりと作っておくと応用が利き、伸びが早い。そこを疎かにしていては応用しようとしても上手くいかず結局回り道をしてしまう事になる。
 食事も稽古と同じように大事だ。一度にいっぱい食べてあとは食べない、と言うのでは進歩は無い。それよりも毎日少しずつでもしっかり栄養を摂る。食事は2時間おきに摂ったほうが身体は大きくなる。稽古は週6日間、1日3〜4時間が普通。それをずっとやること。今の日本の選手は大会前の3ヶ月だけそういった稽古をしている。それじゃあ試合で勝てないよ。また、今の日本人選手が海外で試合をしても勝てない。外人には勝たせないという日本の風土に胡坐をかいて来たため海外では通用しないよ。ブラジルでは、日本の試合で勝つために相手を倒す、一撃で倒す、叩いたら牛が死ぬ、というような技を追求してきた。ちなみに、チューブトレーニングはパンチやキックを強くする練習ではない。あれはフィリォの意識を変える為の練習であって、同じようにしたから強くなるというものではないし、上手くいかない。あれをする事で指導者の「世界を獲る」という本気を伝え、また、本人も先生の「本気」を感じ、意識を世界チャンピオンへと向かわせる。その為の練習だ。稽古というのは卵油などの調味料と一緒で、たくさんの材料の中からほんの指先ほどしか取れない。稽古をいっぱいやった、と思っても為になったのはほんの少しだけ。だから、それを積み上げて行かないとダメだ。
 大食は福を呼ぶ。と言う言葉がある。いっぱい稽古している者は身体が欲するからいっぱい食べる。大山総裁は食べるところを見てその人が稽古しているかどうかを判断できた。たくさん食べる者の名前を覚え、目をかけてくれた。そうやって福が呼ばれる。(目をかけてもらえる事により色んな事が学べる、と言う意味で幸運であるという事。)
 自分でも出来るのだからお前達も出来るんだぞ、と言う思いが生徒を引っ張られる。指導者の生徒を引っ張っていくという気持ち、生徒をのせるという気持ちが大事だ。生徒が来ないから道場を開けないと言うのではダメ。開けないから生徒も来ないという悪循環になる。毎日たった1人ででも良いから練習するんだよ。そうすると1人ずつでも、自分もやってみよう、という者が来るようになる。
                                                   極真会館福井支部
食事会の様子 食事会の様子


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