少年部夏合宿2008レポート
8月2日(土)、3日(日)に福井市少年自然の家にて、平成20年福井支部少年夏合宿を実施した。
前線の影響からフェーン現象となり、両日とも35度を超える暑い日となった。
初日午前9時、少年自然の家に参加者が集まり入所式。以前に参加している子は落ち着いている感じだが、初めての子は幾分緊張している様子で、入所式が終わり父兄が帰るときには心細くなったのか泣き出してしまう子もいた。
しかし自分達が泊まる部屋へ行きベッドの位置決めをする頃には機嫌も直っていたようだ。
道着に着替え、9時半から体育館で最初の稽古を行った。大島指導員が準備運動の号令をとり、基本稽古から師範の指導となった。みんなまだ目が覚めてないのか、それとも不安があるのか、いまいち元気が無い。そのため、まずは正拳中段突き100本で気合を入れた。その後は20本ずつ進む。だんだんと気合が入って、みんな汗びっしょりに。蹴りも同じく20本で進んでいくが、気を抜くと蹴りの高さと力が落ちてくる。途中指導員から発破をかけてもらいながらがんばり、最後は回し蹴り100本で基本終了。始める前と比べて、かなり気合の入った顔つきに変わっていた。気温も上昇してきたため、一旦ここで休憩。準備されたスポーツドリンクを飲んでちょっと一息。10分休憩後、移動稽古に入った。内容は、前屈立ちでの移動稽古を3種類、蹴りを3種類、後屈を3種類。暑くなってきた事もあってか、動きが緩慢になり、摺足もどたどた言い出してきた。すかさず注意が飛び、全員気を引き締め直す。30分間と少年部にとっては少し長めだったが、みんなしっかり動けていたようだ。ここで再度休憩。暑い中でこれだけ動いたのだからくたびれていそうなものであるが、休憩中はみんなまだまだ元気満々で飛び回っていた。
午前の稽古最後は班別に分かれての稽古。基本と移動をしっかりとこなしたので、全体に軽めに型や、受け返し中心に20分余り行い、正拳中段突きで締めくくった。
自由時間のあと、12時から昼食。暑い中での稽古後なので食欲がないかな、と思いきやみんな食欲旺盛で用意されたおひつのご飯は全てなくなってしまった。
1時までの自由時間の時には子供同士すでにうちとけて暴れまわっていた。
1時からは宿舎下にある広場で日本ネイチャーゲーム協会の朝日正之先生をお迎えしネイチャーゲームが始まった。ネイチャーゲームとはいろんなゲームを通して、自然の不思議や仕組みを学び、自然と自分が一体であることに気づくことを目的とするもの。
最初におこなったのは「ふくろうとからす」ゲーム。2チームに分かれてのオニゴッコのようなもので、先生が問題を出し、その内容が正解の場合はふくろうチームがからすチームの人を追いかけ、タッチ。タッチされた人はふくろうチームになり、タッチされる前に自分の陣地に逃げ込めばセーフ、内容が間違いの時は逆にからすチームがふくろうチームを追いかける、というルール。これが意外と難しく、正解を間違いと思って逆に追いかけたり、考えている間に捕まってしまうなど、とっさの判断と行動が試される空手にぴったりのゲームだ。何回か終わったところで小休止。一回も捕まらなかった人もいれば何度も捕まってしまった人などそれぞれいて楽しめた様子である。
続いては二人一組で、片方が目隠しし、もう1人が手を引いて回りにある色んなものを手で触らせてあげるという遊びを行った。目で見ながら触るのと違い、全く見えない状態で木の葉や草、木の幹などを触ってもすぐには何かわからず、また多少の不安もあってか、ワー、キャーと賑やかな反応だった。目隠しを外し今触ったものを確認すると、「あーこれか。」と納得した様子。
一番暑い時間となってきたので、先生が最後は動きまわらないゲームにしようかと提案したが、子供達は「動く方がいい。」という事で最後はフィールドパターンカードを使い、自然の中にある色んな形を発見するゲームをおこなった。カードにXやY、〇や平行、螺旋などの形が書いてあり、自然の中で同じ形をしているものは何があるかを探しまわって自分で書き込んでいくゲームである。テーブルや看板など人工的なものは駄目ということで子供達は土や竹林、木の枝、葉っぱをじーっと見つめてスケッチしていた。最後にみんなで発表。子供目線でいろんな物が発見できたようである。朝日先生ありがとうございました。
長めの休憩をはさみ、夕方の稽古に。低学年と高学年に分かれて受けの練習と軽いスパーリングの練習をおこなった。今回は低学年が多かったので先生や先輩が丁寧に教えて組手入門といったリラックスした感じで進んだ。子供達は元気だったが、暑さが厳しいので早めに終えて夕食までは少し休憩。
夕食はバーベキュー。みんなで野菜を切ったり、火をおこしたりと苦労しながら準備をして、いよいよ焼き始めた。例年は2日目の昼に行うので暑さと疲れからか余りがちになるが、今年はまだまだみんな元気いっぱいで、鉄板の回りに集まり食べ始めると、用意した肉はまたたくまに無くなっていった。食べた後は全員で後片付け。班長を中心に良く働いていた。
宿舎に戻るとすっかり暗くなっており、お待ちかねの花火大会となった。今年は良く晴れているので花火の蒸気で辺りが煙る事も少なく、楽しんでいた。
今日の予定はこれで終了、お風呂の時間となった。子供達にとっては風呂も遊びと同じで、はしゃぎながら入っていた。面倒をみてもらった指導員方はお疲れ様でした。
指導員達にとってはみんなが部屋に戻ってようやく今日が終了という感じで、ほっと一息ついていた。翌朝は5:00起床で5:30稽古開始とあって、指導員達は話もそこそこに早めに休んでいたようだ。
翌朝、子供達の部屋が4時前からがやがやと騒々しく、覗いてみると興奮して早くに目が覚めてしまった子たちが他の子も起こして回ったらしく、すでにみんなハイテンション状態。稽古までまだ時間があり他にも利用者が宿泊しているので、おとなしくするようにとたしなめられていた。
指導員がようやく目を覚まし始めたころにはみんな道着を着て準備万端。宿舎前に集合し、軽くジョギングをしながら朝練の場所へ移動。早く起きていた子供が多いため、あまり無理がかからないよう朝稽古は30分余りで終え、残りしばらくは外での自由時間となった。部屋に戻り、朝食まで各自部屋の掃除と自由時間。班長中心で整理整頓をしていた。
8時から朝食。睡眠不足の子供達の食欲が気になるところだったが、みんな全く問題なく、逆におかわりをする子供が多かったくらいだ。
9時からは最後の稽古。班別に30分ほど各々稽古をした後に、試し割りを行った。指導員が「いまから試し割りを行います。」と言うと、みんな「え?」という反応で、自分達がやるとは思っていなかったようだ。子供用の板を用意し、班毎に1人ずつ割っていった。こわごわやるため1回目は失敗する子が多かったが、指導員が「思い切ってやれば大丈夫。」と発破をかけると見事に割れ、目を輝かせて喜んでいた。正拳、前蹴り、回し蹴りなど、1人3枚ずつ割り終えるころにはすっかり自信を付けたようだった。これで合宿での稽古は全て終了。
昼食は、合宿最後のイベント、カレー作りに挑戦。昨日は野菜を切るだけだったが、今日はじゃがいもやにんじんの皮むき、たまねぎ刻みがあり、四苦八苦しながら奮闘していた。また、炊飯係りはお米をといで水を加え、かまどの火をつけて、と暑さと戦っていた。カレーの材料が切れたらいよいよ鍋で肉と野菜を炒め、水を加え・・・と進んでいく。
1時間ほどを掛けて出来上がり、いただく。みんな自分が作ったカレーとあって「うまい。」と言いながら、どんどん平らげていった。暑い中みんなごくろうさまでした。
後片付けも終わり、いよいよ合宿もおしまい。合宿責任者の梅田先生から労いの言葉をいただき無事帰路に着いた。
今回は特別暑い日となって体力的に大変だったが、中身は大変充実したもので子供達がひとまわりもふたまわりも逞しくなった事が実感できた非常に嬉しい合宿であった。
指導員のみなさんのおかげで無事終えることが出来ました。ありがとうございました。
極真会館福井支部
少年部夏合宿2008
参加者写真
国際空手道連盟極真会館 福井支部
(C) IKO Fukui All right resaved.